■東京ディズニーリゾートとの違い 2004年2月現在

【テーマリゾート面積】
 ディズニーランド リゾート パリはパリの東端から32キロ東に位置し、全体の面積は1943ヘクタール、約5000エーカーで、パリの5分の1の面積に当たります。敷地内には東京ディズニーランドに相当する「ディズニーランド」とフロリダのMGMスタジオに相当する「ウォルト ディズニー スタジオ」、そしてフロリダのプレジャーアイランドに相当する「ディズニービレッジ」、6軒のディズニー ホテルと1軒のキャンプ場、そしてゴルフ場があり、これらを総称して「ディズニーランド リゾート パリ」と呼びます。このディズニーランド リゾート パリの中には他に、パリからの郊外鉄道RERやTGV(新幹線)が発着する国鉄「マルヌ ラ ヴァレ」駅と外部経営のショッピングモールがあります。未開発の土地もかなりあり、今後の新テーマパーク建設に当てられると予想できます。
 東京ディズニーリゾートから比べるとディズニーランド リゾート パリはかなりの広さがあります。フロリダのウォルト ディズニー ワールドと同様の敷地構成と考えればわかりやすいでしょう。少ない土地に建て増ししていったアナハイムのディズニーランド リゾートと東京ディズニーリゾートには今後、新テーマパークを建設する敷地余裕はあまりありません。これに対して、初めから「リゾート」という概念で建設されたフロリダのウォルト ディズニー ワールドやパリのディズニーランド リゾート パリは、全体の敷地面積が広く、今後に開発される土地がまだまだ十分にあると言えるでしょう。
 東京ディズニーリゾートには1983年のオープンから4年後の1987頃から続々とオフィシャルホテルが建設されましたが、直営のディズニーブランドホテルが建設されるまでには18年という長い時間が掛かりました。それに対して、ディズニーランド リゾート パリは、1992年のオープン当初から直営のディズニーホテルが5軒とキャンプ場、ゴルフ場も完備していました。更にオープンのすぐ後にも1軒のディズニーホテルをオープンさせ、リゾートとしての機能が十分に活かされた建設計画でした。ここ近年ホテル客室数が徐々に不足し、数年前から近隣ホテルとの提携で対応していたこともあり、2002年から2003年かけて、3件の準ディズニーホテルと2件のオフィシャルホテルがオープンしました。
 ディズニーランド リゾート パリの敷地内にもうひとつ2001年に開駅したRER A線の「ヴァル ドーロップ(VAL D'EUROPE)」駅があります。外部経営のショッピングモール用に作られた駅で、ディズニーランド リゾート パリ中心に位置する「マルヌ ラ ヴァレ駅」のひとつ隣に作られました。現在はこの駅周辺に2件のオフィシャルホテルがオープンしています。このショッピングモールには巨大なハイパーマーケットやショッピングアーケード、ブランドショップのアウトレットなどがアクセス良く配置され、郊外に建つディズニーランド リゾート パリに滞在している宿泊者はもちろん、近隣住民の生活の一部となっています。

【都心からのアクセス】
 パリ東端から郊外電車RER A線で約35分。終点の「マルヌ ラ ヴァレ駅」がディズニーランド リゾート パリの中心に配置されています。山手線の東端にある東京駅から東京ディズニーリゾートまでが各駅停車で約20分ですから、ディズニーランド リゾート パリはもう少し郊外ということになります。東京近郊に比べると、ディズニーランド リゾート パリのあるマルヌ ラ ヴァレ市は「田園風景」というイメージです。ちょうど成田空港に行く途中から急に田園風景が広がってくるのと似ているかもしれません。
 シャルルドゴール空港第二ターミナルからは直通のTGV(新幹線)がディズニーランド リゾート パリの「マルヌ ラ ヴァレ駅」まで出ています。乗車時間約10分という距離ですので、直接シャルルドゴール空港第二ターミナルに行かれる方には非常に便利です。他にロンドン直通のユーロスター(新幹線)や、ベルギー直通のタリス(新幹線)なども出ており、ヨーロッパ近隣諸国からのアクセスも非常に便利です。
 シャルルドゴール空港とオルリー空港からはディズニーランド リゾート パリに有料「シャトルバスVEA」が運行され、所要時間は1時間30分とかかりますが、到着階からすぐに乗車出来るのでこちらも便利です。しかしパリ中心からのシャトルバスなどは運行されていないため、パリからではどうしても郊外鉄道RER A線を使う必要があります。もしくは高く付くタクシー利用や観光バスの利用しかありません。
 マルヌ ラ ヴァレ駅を出ると右手後方に「ディズニーランド」とディズニーランドホテル、右手前方に「ウォルト ディズニー スタジオ」、左手に「ディズニービレッジ」、ディズニービレッジを抜けると人造湖レイクディズニーの回りに3軒のミドルクラスのディズニーホテル、そのホテルを抜けて5分ほど行くと2軒のエコノミータイプのディズニーホテルが位置しています。キャンプ場はこのエリアではなく車で15分ほど離れたところに位置しています。ゴルフ場も車で5分の距離です。

 詳しい交通情報はこちらを参照してください。「交通情報
 ディズニーランド リゾート パリ内の配置図はこちらを参照してください。「リゾートマップ

【テーマパーク】
 2004年現在、東京ディズニーランドと同様のテーマパーク「ディズニーランド」と、映画をテーマとした「ウォルト ディズニー スタジオ」の2つのテーマパークがあります。他に夜のエンターテイメントをテーマにした主にディズニーホテルなど宿泊者のための「ディズニービレッジ」があります。

 パリのディズニーランドのシンボルは「眠れる森の美女」城で、東京ディズニーランドは「シンデレラ」城ですね。この眠れる森の美女城は、カリフォルニアのディズニーランドにあるそれと同じではありません。より幻想的なフォルムになっており、高さもシンデレラ城とほぼ同じくらいあります。イメージカラーもシンデレラ城の「ホワイト&ブルー」という清楚なイメージではなく「コーラルピンク&コーラルブルー」と言う、中世ヨーロッパを感じさせる凝った配色がなされています。
 パーク内部の大まかな比較ですが、各テーマランドの配置や名称が東京ディズニーランドとは若干違っています。まずはワールドバザールに相当するのが「メインストリートUSA」、左回りにウエスタンランドに相当する「フロンティアランド」、そして「アドベンチャーランド」、お城を含むパーク後方の「ファンタジーランド」、そして最後にトゥモローランドに相当する「ディスカバリーランド」の5つのテーマランドから成っています。クリッターカントリーやトゥーンタウンなどは2002年現在、まだお目見えしていません。
 では各テーマランドをもう少し詳しく比較してみます。世界のディズニーテーマパークの中では一番新しいということもあり、造り込みが素晴らしいパークとなっています。まずメインストリートUSA(ワールドバザール)は東京と同じように雨の多いパリの気候を考慮し、アメリカ本家の作りとも融合させた設計がなされているので、メインストリートは屋外に、そしてメインストリートの両側に2本の屋内アーケードが造られています。そのためにメインストリートと交差する道から他のエリアへのアクセスは出来ないようになっています。東京ディズニーランドはトゥモローランドやアドベンチャーランドにアクセスできます。位置が前後しますがメインストリートUSAの手前、エントランスを抜けたすぐのところにはパーク内を1周する「ディズニーランド鉄道メインストリート駅」があります。
 フロンティアランドのアメリカ河の中にビッグサンダーマウンテンがそびえ立ち、その回りを1周するのが「サンダーメサ リバーボート ランディング(マークトウェイン号)」です。東京ディズニーランドにはファンタジーランドにある「ファントム マナー(ホーンテッド マンション)」が、ここフロンティアランドにあります。小さな牧場もあり、動物たちが時々フロンティアランド内を散歩している光景を見ることが出来ます。
 アドベンチャーランドは巨大なアスレチックエリアのようになっており、東京ディズニーランドのトムソーヤ島に似ていますが、コンセプトはピーターパンに出てくるネバーランドで、ガイコツ岩や海賊船などが配置されています。カリブの海賊もこの続きにあり、ニューオーリンズスクエアにある一見「これアトラクション?」という東京ディズニーランドとは違って、「カリブの海賊はここです!」とおもいきり主張しています。他にアラビアンナイトをイメージしたエリアもあり、エキゾチックな雰囲気を演出しています。
 ファンタジーランドはここが一番美しいと言える程に造りが凝っています。東京ディズニーランドと同じように小さなアトラクションがメインですが、そのアトラクションの配置や造りが絶妙で、各アトラクションの回りにも水を配するなど、単体を目立たせずに全体の調和を非常に良く考えられて作られています。更に細かくヨーロッパの国々をイメージした町並みを再現していて、スイスのシャレー風の家並みや、イタリアの明るい煉瓦の家並み、イギリスの石造りの家などを見ることが出来ます。お城回りはいかにも中世ヨーロッパの雰囲気で、あちらこちらに意外と気が付かないディズニー作品の1シーンなどを見ることが出来ます。
 ディスカバリーランドは未来をイメージするエリアであるために、東京ディズニーランドのように10年も経てば「これが未来?」と思えてくるような造りを避け、思考を逆手に捕らえた「アンティークな未来」とでも言えるようなコンセプトになっています。ヨーロッパの歴史に残る偉人が考えた「未来」、それがディスカバリーランドです。このアイディアは後にカリフォルニアのディズニーランドで採用され、同様のコンセプトでリニューアルを行いました。

 ウォルト ディズニー スタジオは2002年3月16日にオープンした新しいテーマパークで、ウォルト ディズニー ワールドにあるMGMスタジオと同様に「映画」をテーマとしています。しかし作りは大幅に異なっており、MGMスタジオに比べて敷地面積が非常に狭く、チャイニーズシアターは存在しません。屋外型のショーを上演する劇場などもまだ作られておらず、MGMスタジオから比べると物足りなさを感じます。パーク内のエリアは4つに分かれており、エントランスを含む「フロントロット」、フロントロットを抜けた右手に「アニメーション コートヤード」、正面および左手に「プロダクション コートヤード」、左手奥に「バックロット」が位置しています。

 この二つのテーマパークのエントランス(入り口)は向かい合っており、アクセスが非常に便利です。長期滞在型の場合は、一日に何度でも2パークをアクセス出来るような便利さがあるので、2パークのパレードやショーのはしごなども可能です。

 詳しいテーマパーク情報はこちらを参照してください。「ディズニーランド」「ウォルト ディズニー スタジオ

【テーマパーク以外の施設とホテル】
 まずはディズニービレッジから。駅を出てテーマパークとは反対の左手エリアに位置するディズニービレッジは、主にディズニーホテルなど宿泊者の為の夜のエンターテイメント施設です。パーク閉園後のお楽しみ施設という意味合いで作られたもので、入場料は必要ありません。東京ディスニーリゾートのイクスピアリとウォルト ディズニー ワールドのプレジャーアイランドを足して2で割ったような感じでしょうか。ディズニービレッジ内の中央にステージがあり、ディズニーのテーマ性とは無関係のイベントなどが不定期に開催されています。他に毎日公演のウエスタン ディナーショー「バッファロービルズ ワイルド ウエスト ショー」や、シネマコンプレックス型の映画館「ゴーモン(Gaumont)」、クラブ(ディスコ)、プラネット ハリウッドやレインフォレスト カフェなどのテーマレストラン、パーク内のグッズを扱うディズニーストア、正午あたりからオープンするレストラン施設とスーベニアショップ、マクドナルドなどが入っています。レストランではライブショーを行っているところもあります。ショップやレストランは遅くまでオープンしているので、冬季シーズン中のパーク閉園時間が早いときなどにディズニービレッジでレストランを利用したり、パークで買い忘れたものをここのショップで探したりするのに便利でしょう。

 ディズニーホテル7軒は全て直営です。高級ホテルからエコノミーホテル、キャンプ場まで充実しており、予算にあったタイプを選ぶことが出来ます。東京ディズニーリゾートに高級指向のディズニー ブランドホテルしかないというのは、文化的に日本にはそれが合っているという点でしょう。ヨーロッパでは長期滞在型のバカンスを取るのが常で、ディズニーホテルと言えどもエコノミータイプのホテルはなくてはならない存在です。そしてディズニーランド リゾート パリのエコノミーホテルはごく簡素に作られているのが特徴です。ディズニーらしく適度にテーマ性はあるけれどもサービスや施設は至ってシンプル。ホテルのカテゴリーランクがだんだんと上がっていく様に、様々なホテルタイプが用意されているのが、ウォルト ディズニー ワールドのホテル群と似ています。しかしウォルト ディズニー ワールドのホテルと比べてしまうと、見劣りするのは否めません。理由は「田舎の土地や人件費の安いフロリダ」に作られているホテルと、都会からすぐの「土地も人件費も高いパリ郊外」に作られているという違いからきています。ウォルト ディズニー ワールドを訪れたことのある人にとってディズニーランド リゾート パリのディズニーホテルは、施設面やサービス面にがっかりする事も少なくないようです。
 ディズニーホテルからテーマパークへのアクセスはウォルト ディズニー ワールドよりも断然便利です。最上級クラスの「ディズニーランドホテル」はディズニーランドのエントランス上部に建っているのでアクセスは0分、ミドルクラスの「ホテルニューヨーク」「ニューポートベイクラブ」「セコイアロッジ」はディズニービレッジを抜けたすぐのところに位置しているので、徒歩でも5分〜10分の距離です。この3つのホテルからはシャトルバスも運行していますが、利用価値は少ないでしょう。エコノミーホテルの「ホテル シャイアン」と「ホテル サンタフェ」は徒歩でも15分ですが、シャトルバスを利用すると5分+バスターミナルから徒歩2分です。キャンプ場「デイビー クロケット ランチ」は車が必要でシャトルバスの運行はありませんが、森の中に点在するバンガローは夏のバカンスには最高でしょう。
 ディズニーホテルに続き、2003年春から夏にかけて準ディズニーホテルが3件オープンしました。ウォルト ディズニー ワールドのスワンやドルフィン同様、大手チェーンホテルの経営です。この3件はディズニーショップの併設やパークまでの無料のシャトルバスのサービスを行っています。そして隣駅
ヴァル ドーロップには2件のオフィシャルホテルがオープンしました。テーマ性はありませんが、利便性は良いと考えられます。
 いくつかの提携ホテルは東京ディズニーリゾートで言うところの「グッドネイバーホテル」に近い感覚でしょうか。提携ホテルには全くディズニーのテーマ性は無く、キャパシティオーバー気味のディズニーホテルの受け皿と言った方が正確でしょう。一応は提携ホテルもディズニーホテルの予約オペレーションで予約できるパッケージプランが用意されていますが、半分が車でないと行けない場所にあります。ディズニーホテル、準ディズニーホテル、オフィシャルホテルが満室で予約が取れない場合以外は、この提携ホテルの利用価値はほとんどありません。

 ディズニーランド リゾート パリにはゴルフ場も完備しています。行ったことがないので詳細は分かりませんが、レストランなどの入るカントリークラブの様な施設などもきちんと完備しているようです。ゴルフ場へは車で5分の距離ですから、タクシーを利用して行くことが出来ます。

 それぞれの施設の詳しい情報はこちらを参照してください。「ディズニービレッジ」「ディズニーホテル

【アトラクション】
 パリのディズニーランドは東京ディズニーランドから比べると9年という開園年度差があるので、その分当然アトラクション数が少なく、年間の入場者数から言っても新しいアトラクションがオープンする頻度はそれほど頻繁ではありません。パリのディズニーランドのオリジナル アトラクションもいくつか存在していて、「La Galerie de la Belle au Bois Dormant (眠れる森の美女ギャラリー)」「Alice's Curious Labyrinth (アリスの迷路)」「Indiana Jones and the Temple of Peril: Backwards! (インディアナジョーンズ逆回転)」「Le Passage Enchante d'Aladdin (魔法にかかったアラジンのアーケード)」「Les Mysteres du Nautilus (ノーチラスのミステリー)」などで、アドベンチャーランドにはピーターパンの海賊をイメージするウォークスルーのアスレチックエリア「Adventure Isle (アドベンチャー アイル)」などがあります。一時は東京ディズニーランドにも「ビジョナリアム」が登場していましたが2002年9月1日で終了。東京ディズニーランドにはありませんがアメリカにあるアトラクションと同じものもいくつか存在します。「Casey Jr - le Petit Train du Cirque (ケイシージュニアのサーカストレイン)」「Le Pays des Contes de Fees (ランド オブ フェアリーテール)」などです。アトラクションは同じだけれど、内容に若干の違いがあるものもいくつかあります。「ファントム マナー(ホーンテッド マンション)」などは顕著に違いが分かるはずです。他に「カリブの海賊」「スペース マウンテン」「ビッグサンダー マウンテン」なども東京ディズニーランドよりもグレードアップしていたり、内部配置が違っていたりと、パリのディズニーランド独特のオリジナル性を出しています。いくつかのアトラクションは冬季シーズンにはクローズしているので注意が必要です。

 ウォルト ディズニー スタジオは、テーマパーク自体が東京ディズニーリゾートには存在せず、アトラクションの比較はできません。ですが、前述したようにウォルト ディズニー ワールドのMGMスタジオと同様のテーマ性を持っているので、こちらと比較することが出来ます。オリジナルのアトラクションとしてシアター系の「アニマジック」や「シネマジック」、スタントショーの「モーターズ... アクション!」があります。アメリカにあるアトラクションと同じものは「ロックンローラー コースター」や「スタジオ トラム ツアー」などで、MGMスタジオ以外のテーマパークから、同等のアトラクション導入というものも見受けられます。

 2パークに於いて、小さい子供が乗れるアトラクションには身長制限があるものや、年齢制限があるものがいくつかあります。身長制限はキャストの持っている定規やアトラクションの入り口に設置してある定規で計ってみて、満たなければ通常乗れませんが、子供がどうしても「乗りたい」と言った場合、親の責任において乗せることが「多少可能」のようです。年齢制限のあるアトラクションも同様に「多少可能」のようです。というか非常にアバウトに制限していますので、東京ディズニーリゾートよりも許容範囲が広いと言うことになります。※身長制限設定はTDLよりも若干高いようです。

 詳しいアトラクション情報はこちらを参照してください。「ディズニーランド」「ウォルト ディズニー スタジオ

【エンターテイメント】
 パリのディズニーランドとウォルト ディズニー スタジオとも、オリジナルのショーやパレードが行われています。

 パリのディズニーランドでは東京ディズニーランドの様に規模は大きくありませんが、ヨーロピアンの趣向に合わせたいくつかのショーが季節ごとに上演されています。ヨーロピアンはオリエンタルやエキゾチックなものに憧れを持っているので、10周年以前に行われていた「ムーラン」の中国雑伎団ショーはとても人気がありました。他にサーカスも好きなヨーロピアンの為に、アクロバット的な「ターザンとの遭遇」ショーも人気があります。これは春から秋にかけてのショーで、冬になるとキャラクター スケートショー「ミッキーのウィンターワンダーランド」に替わります。スケートもヨーロッパ特有ですから、このショーも人気のひとつです。
 東京ディズニーランドのようにイベント毎にお城の前でのスペシャルショー開催はほとんど無く、どれもがレギュラーショーです。1997年の5周年にはディスカバリーランドのビデオポリスで5周年アニバーサリー ショーが上演されていましたが、6周年も引き続き上演されていたようです。2002年の10周年もこのビデオポリスで10周年アニバーサリーショーが上演されていますが、ムーランの舞台装置が残っているので10周年だけのショーだと思われます。
 パレードは東京ディズニーランドの様に頻繁に替わることはなく、オープンから使用しているフロートにちょっと手を加えた形でのパレード開催です。5周年の時には特別にアニバーサリーパレードが行われていましたが、10周年はケーキフロートが登場するだけのいつものパレードです。時期や年によって午後のメインパレードの他に、プチパレードが行われたりします。夜のパレードは、東京ディズニーランドでは今は見ることの出来ない初期のエレクトリカルパレードが夏やクリスマスの特定の時期だけに開催されます。冬は問題ないのですが、夏のパリは陽が長いために、7月の中旬から9月の初め頃のパレード開催は非常に遅い時間ですので、日帰りの方には注意が必要です。
 スペシャルイベントは、やはり東京ディズニーランドのように頻繁に行われると言うことは少なく、毎年恒例のもので10月にハロウィン イベントと、11月12月にクリスマスイベントが開催されるくらいです。ハロウィンにはプチショーとパレードが開催され、クリスマスにはファンタジーランドのシアターでクリスマスショーとパレードが行われます。
 アニバーサリー イベントも東京ディズニーランドのように派手ではありません。理由としてはやはり年間入場者数が東京ディズニーランドに比べて圧倒的に少ないという事でしょうか。利益率が低ければ新しいものに投資する余力がないのは当然です(※余談ですが、新しいテーマパークのオープンはかなり無理をしたのではないかと推測されます)。東京ディズニーランドに比べると、ほどほどのイベントなので、朝から順番待ちだとか、オープンダッシュなどというばかげた行為はここディズニーランド リゾート パリでは皆無です。

 ウォルト ディズニー スタジオでは、2002年6月よりくウォルト ディズニー スタジオのオリジナル パレードが始まりました。ショーは、アトラクションとなっているシアター形式の劇場でいくつか上演されている他にメインショーなどは上演されていません。一日に2回ほどゴスペル聖歌隊のライブショーが行われているくらいです。

 ディズニービレッジでも前述したウエスタン ディナーショーや、レストランでのライブショー、中央ステージでのイベントが行われています。

 ディズニーホテルの「ホテルニューヨーク」ではクリスマスにキャラクター ディナーショーが上演されます。

 詳しいエンターテイメント情報はこちらを参照してください。「ショー&パレード」「スペシャルイベント

【ショップ】
 パリのディズニーランドのショップは東京ディズニーランドとほぼ同様で、メインストリートUSAのエンポーリアムやディズニー&カンパニーなどでは大概のオリジナルグッズが揃います。各テーマランドにもそれぞれのテーマ性に合わせた一般商品とキャラクターの付いたグッズなどが購入できます。アパレル(衣料)類が非常に豊富で、さすがフランスと言えるような、ちょっとハイセンスなアパレルがあります。子供用のキャラクターコスチュームも種類が豊富で、アクセサリーも充実。ハロウィン用の仮装などには最適でしょう。キッチン用品も充実していて、チャイナ(陶器)類のデザインもレベルが高く、パーク内のレストランで使用されているチャイナも一部の店舗で購入できます。パークミュージックなどのCDも販売されていて、帰ってからもパークの雰囲気に浸れるのでお勧めです。意外なキャラクターを起用したグッズシリーズなども出ています。しかし、コレクターアイテムは少なく、ポストカードの種類はなかなか増えませんし、缶バッジは皆無、ステッカーもありません。スーベニアカップも一時期販売していましたが形の違うもので、スーベニアコインなどもありません。ピントレーディングが始まったのでピンバッジだけは充実しています。オリジナルではない
高価なコレクターアイテムは意外とすぐに見つけられますが、それ以外のリーズナブルなコレクターアイテムを探そうと思うとなかなか見つかりません。お菓子類はアメリカ同様に少なく、日本のように「お菓子のお土産」を近所や会社に配るという習慣がないことから、お菓子を販売する店舗は2軒ほどです。お菓子に関してはあまり期待しない方が良いでしょう。

 ウォルト ディズニー スタジオは、グランドオープンに伴ってかなりのグッズが販売されています。シンプルなデザインのものからカラフルなものまで一通り充実しています。まだまだ第一弾が発売されたという段階ですが、かなり出来の良いデザインなので今後のシリーズに期待です。殆どのグッズをカバーしているのがエントランスを入ってすぐのショップ「ウォルト ディズニー スタジオ ストア」です。

 ディズニービレッジのディズニーストアは町中にあるディズニーストアとは異なり、パーク内で販売されているグッズのみの販売ですので、ディズニーストアのオリジナルグッズなどは置いていません(※フランスのディズニーストアのオリジナルグッズが欲しい向きにはシャンゼリゼのディズニーストアに行くことをお勧めします)。他にスポーツをコンセプトとしたキャラクターグッズショップや、コレクターアイテムをメインとしたキャラクターグッズショップ、他に「バッファロービルズ ワイルドウエスト ショー」関連のグッズショップや、プラネット ハリウッドやレインフォレスト カフェの専用ショップなどがあります。

 ディズニーホテルと準ディズニーホテル内にもそれぞれ1軒ずつ、キャラクターグッズを販売するショップが入っています。ホテルオリジナルグッズは殆どありません。ホテル内のショップではホテルカテゴリーに合わせて、ドリンクや軽食、新聞雑誌、ちょっとした生活雑貨などの販売もしています。

 ディズニーランド リゾート パリ内では外国からの旅行者に限って「免税手続き」も行っているので、利用する価値が十分にあります。購入したグッズを預けたり、滞在しているディズニーホテルや1部のオフィシャルホテルへのデリバリーを頼める「ショッピング サービス」などもあります。

 ※「ディズニーランド」「ウォルト ディズニー スタジオ」ともに、パークのガイドマップにはショップの名前や場所などの記載がありません。

 詳しいショップ情報はこちらを参照してください。「ディズニーランド」「ウォルト ディズニー スタジオ
 サービス情報はこちらを参照してください。「旅行者免税手続」「ショッピングサービス

【レストラン】
 ディズニーランド リゾート パリ内のレストランはフランスにあるとは言え、正直、手放しで「美味しい」とは言えません。特にヨーロピアンの口に合わせた味付けになっているので、日本人の舌に適う味ではありません。アメリカのパークのがさつな味付けよりは美味しいと思いますが。その中でも時には「ヒット」なメニューもありますので安心してください。全体的に味は濃いめ、デザートは見た目の美味しさとはちょっと違ってかなり甘めです。アルコールはヨーロピアンには欠かせないということで、1995年頃から解禁になりましたので、どこでもアルコールが注文できます。いくつかのレストランは冬季シーズンにはクローズしていることがありますので注意してください。
 レストランのタイプは、テーブルサービス、バフェテリア、ファストフード、ワゴンといくつかのカテゴリに分かれます。

 パリのディズニーランドでのテーブルサービスレストランの予算は非常に高く、注文するメニューによってはかなりの金額になるでしょう。ワイン王国のフランスですから一通りの銘柄も揃っているようです。テーブルサービスのレストランに限って、時間の事前予約が出来ます。と言うよりも予約しないと入れないと言うべきかもしれません。空いている時期なら予約なしでも入れることもありますが、ランチやディナータイムは予約しないと難しいでしょう。キャラクターダイニングを行っているレストランもありますので、こちらも予約した方がベターでしょう。バフェテリアはもちろん予約は必要ありません。値段もそこそこで「きちんと食べたい&食事に時間をかけたくない」という向きには最適でしょう。もちろんファーストフードは一番リーズナブルで早いですが、時間帯によりかなり並ばないと買うことができない場合がありますから注意が必要です。ワゴンはポップコーンやアイスクリーム、ワッフルやベイクドポテトなどを販売しています。小腹が空いたときに最適でしょう。

 ウォルト ディズニー スタジオにはテーブルサービスレストランは今のところ無く、バフェテリアとファーストフードとワゴンのみです。このワゴン「ケイタリング Co.」はパーク内のあちこちにあり、軽食も販売しているので利用頻度が高いでしょう。パークが小さいので、レストラン施設数はあまり多くない代わりに、このワゴンが大活躍しています。

 ディズニービレッジのレストランはランチの頃からオープンするので、パーク内のレストラン施設が混んでいる場合はディズニービレッジのレストランを利用した方が早いかもしれません。テーマレストランのプラネットハリウッドやレインフォレストカフェ、マクドナルドもあるので、おなじみのレストランが「安心」という方にはこちらをどうぞ。キャラクターダイニングを行っているレストランもあります。

 ディズニーホテルの最上級&ミドルクラスのレストランは、パークに比べるとやはりホテルと言うことで高めでしょう。高いだけあってお味もそこそこ、パークの喧噪から逃れてゆったり食事をするには最適かもしれません。それぞれのホテルテーマに合わせたレストランが入っているので、時間に余裕がある方は一度利用するのもいいでしょう。エコノミーホテルのレストランは味も料金もパークとそれほど変わらないかもしれません。

 レストランの詳しい情報はこちらを参照してください。「ディズニーランド」「ウォルト ディズニー スタジオ」「ディズニービレッジ」「ディズニーホテル

【キャストサービス&アイデンティティ】
 キャスト サービスの「質」についてですが、個人的に採点すると一番クオリティが高いのが「東京ディズニーリゾート」、そしてアメリカの「ディズニーランド リゾート」「ウォルト ディズニー ワールド」、残念ながら最後に「ディズニーランド リゾート パリ」となります。
 トップに東京ディズニーリゾートを選んだのは、管理人の私が「日本人の視点で見ているから」と言うことになります。日本贔屓と言うことではなく、本質的なアイデンティティの面で、やはり同民族同文化であれば、サービスの満足度も高いと言えるでしょう。そして東京ディズニーリゾートのキャストの大半が「ディズニーが好きだから」という理由で働いている点が大きいと言えます。アメリカの文化をすんなりと受け入れ、これほどディズニーの精神を守っている海外テーマパークは日本以外には難しいと思えます。と言ってもまだ日本とフランスだけですが。昨今の東京ディズニーリゾートの諸問題(オリエンタルランドの運営体制とハードリピーターの関係)は別にしても、キャスト個人個人のサービスの高さには、彼らのサラリー以上のサービスだと言えます。中にはキャストとして不合格な人がいることは確かですが、それほど多くはないでしょう。
 2番目に上げたアメリカの2パーク「ディズニーランド リゾート」「ウォルト ディズニー ワールド」は、もちろん自国の生んだテーマパーク文化ですから「文化の受け入れ云々」ということは除外しますが、キャストのクオリティは十分に満足のいくものです。しかし、やはり日本人の視点から見ると、見劣りする部分も少なくありません。様々な文化を持つ国民で成り立っているアメリカ文化ですから、ほぼ単一民族の日本から比べると、キャストのサービス精神を統一するには大変な努力が必要だったでしょう。しかしディズニーテーマパークの歴史が一番古いこともあり、ディズニーにおける「サービス」という面が確立されています。そしてアメリカのキャストは大変おおらかで外国人に対しても非常にフレンドリーと感じます。やはり東京ディズニーリゾートのキャストと同じように「ディズニーが好きだから」というキャストが多いでしょう。
 これに対する「ディズニーランド リゾート パリ」では「ディズニーのサービス精神」を持つキャストに出会うのが非常に難しいと感じます。根本に流れるフランス人のアイデンティティには「アメリカ文化を受け入れたくない」という気持ちに加えて「ディズニーランドなんかで働くのはちょっと恥ずかしい」と思っていること。それでも最近はようやくフランス人にもディズニー文化が受け入れられてきたように感じます。そしてフランス人は「バカンスのために働いている」民族で、「働く」という単語である「travailler」の語源は「拷問」です。この言葉から連想されれば理解できると思いますが、大半のフランス人キャストにとって「ディズニーのサービス精神」などはどうでもよいのです。とにかく「生活がかかっている」「他に仕事がない」というキャストが多いと考えてください。フランス人キャストには「ディズニーが好きだから時給が安くても頑張っている」というキャストは非常に少ないのです。もちろん他のディズニーテーマパークのように本当にディズニーが好きでキャストをしている人もちゃんといます。が、非常に少ないということです。
 ここまで読んでいる方は「じゃ、最低なサービスなの?」と思われるかもしれませんが、パリ市内のデパートや小さなブティック、スーパー、カフェやレストランなどを利用された方には感じられていると思いますが、フランスの通常のサービスより「ディズニーランド リゾート パリ」のサービスは「断然に質が良い」と言える程、フランスにおけるサービスは「質が悪い」のです。日本やアメリカに比べて「サービスが悪い」というのはフランスのアイデンティティなんだと私は思っています。
 しかし安心してください。キャストをしているのはフランス人ばかりではありません。他国から来ているキャストはフランス人キャストよりも当たりが良く親切です。これも育ってきた文化の違いからきているでしょうし、他国から来ていると言うことは、ディズニーに少しでも関心を持っているということでしょう。EU加盟国からはフランスに来て自由に働くことができ、近隣諸国から、またはEU加盟国のパスポートを持っている人なら誰でも働くことが出来るのです。アメリカ同様に様々な文化を持つキャストを統一する、さらにディズニーに無関心な愛社精神など持たないキャストをまとめていくのですから、運営している企業「ユーロディズニーS.C.A」はラインギリギリのディズニーサービスを保っていくのが精一杯なのでしょう。オープンしてから少しずつキャストの意識を向上させるキャンペーンなどを展開して、随分と向上させてきたようですが、やはり日本やアメリカと比べると、格段にランクが落ちてしまいます。
 更に言えることは、ディズニーランド リゾート パリの運営自体もかなりアバウトで、情報に確実性が欠けていることや、キャストの情報認識度が薄いと言えます。東京ディズニーリゾートでは情報に確実性がないと公式に発表を行いませんが、ディズニーランド リゾート パリは構わず情報を流します。キャストも誤情報を頻繁に流してしまいます。その誤情報に対してクレームをつけても「私のせいじゃない」「案内所で確認してください」「それがフランスです」という答えしか返ってきません。そうなんです、それがフランスです。まさにこの言葉がフランスを表しています。たとえディズニーのテーマパークであっても、その国の文化で育った人たちにはこれが普通のことなのです。ですから、正確な情報をつかむためにはかなり苦労しなければいけないというのが現実です。「キャストの情報認知」という点で私が今までに感じたことでは「分からないことは上司に聞かず、勝手な答えを返すか『担当が違うので分からない』と済ます」「ちょっとしたことなら末端キャストの判断で処理出来てしまう」「数人のキャストに聞かないと答えが正確に分からない」「正確な答えが必要なときは『上司に聞いて欲しい』と頼まなければならない」「自分が間違っていても謝らない」など。
 しかし逆に考えると、運営のアバウトさを利用して「自分の意志を通しやすい」という面があります。東京ディズニーリゾートは「インフォメーションはほぼ絶対的」ですが、ディズニーランド リゾート パリは「融通が利く」という利点です。「プリーズ!」を連呼すれば、以外とすんなり無理がきいてしまうのです。例外を除きこれも東京ディズニーリゾートでは考えられないですね。
 言葉の面で不利がある旅行者ではこのフランス文化に立ち向かうのは非常に困難ですけれど、自分の要求はなるべく伝えましょう。不快な思いをしたら日本語でもきちんとそのキャストに直接クレームを言いましょう。というか「言ってください」。「初めてディズニーランド リゾート パリに行く」と言う方には抽象的で理解しにくいかと思いますが、なんとなくこれらの事柄を念頭に置かれていれば、現地で「あぁ、これか!」と実感できるはずです。
 以上のことから、日本やアメリカと同様のサービスが受けられなくてがっかりしない為に、予備知識としてこれらの比較文章を読んで頂いてからディズニーランド リゾート パリを体験された方が、よりフランス文化を理解でき、また各ディズニーテーマパークとの違いも発見できて面白いのではないかと思います。

【ヒストリー】
 1992年4月12日、世界で4番目のディズニーテーマリゾートである「ユーロディズニーリゾート」がグランドオープニングの日を迎えました。リゾート内には「ユーロディズニーランド」、隣接する「フェスティバル ディズニー」、6軒のディズニーホテル、そして国鉄駅「マルヌ ラ ヴァレ」などが一挙にオープンしました。当初はヨーロッパ全体を意識した名前が付けられたのですが、ヨーロッパのどこにあるのか認識しづらいなどの問題があり、2年後の1994年10月1日、わかりやすい名称としてリゾート全体を「ディズニーランドパリ」と改名しました。「ユーロディズニーランド」は「ディズニーランド」に、そして1997年6月に「フェスティバルディズニー」は「ディズニービレッジ」と名称を変えています。更に2002年初頭には、第二テーマパークがオープンと言うことで、他のディズニーテーマリゾートと同様に「ディズニーランド リゾート パリ」と名称を変更しました。
 年を遡って1987年、運営企業であるユーロディズニーS.C.Aはフランスと合意契約を結び、フランスとウォルト ディズニー カンパニーの共同経営となりました(※日本で言うところの第三セクターに当たるのでしょうか)。パリへの更なる観光客増大を狙うフランス側と、ヨーロッパ進出を望んでいたウォルト ディズニー カンパニーの利害性が一致した建設計画だったようです。フランスという「国」が共同経営ということで、鉄道も合わせて引かれるなど、かなり優遇された建設計画だったと言えるでしょう。更にウォルト ディズニー カンパニーの直営と言うこともあり、詳しくは分かりませんが、フランチャイズの東京ディズニーリゾートの運営体制とはかなりの違いがあると言えます。
 東京ディズニーリゾートは民間企業の三井グループと京成電鉄の共同出資で出来た「株式会社オリエンタルランド」が運営しています。東京ディズニーリゾートがフランチャイズ経営なのは、海外初のディズニーテーマパーク建設を望んでいた株式会社オリエンタルランドがウォルト ディズニー カンパニーの合意を取り付け、フランチャイズ契約が成立しました。フランチャイズということは、運営が失敗してもウォルト ディズニー カンパニーにとっては損益の少ない利点がありましたが、ウォルト ディズニー カンパニーにとってこのフランチャイズ契約は失敗を意味することになりました。ディズニーランドというアメリカの文化が日本文化にすんなり受け入れられた事で、日本でのディズニーランド建設は大成功であり、株式会社オリエンタルランドという企業は大きな成長を遂げました。フランチャイズ契約を締結してしまったお陰で利益が少ないウォルト ディズニー カンパニーは「次は直営での運営だ!」と意気込んだかどうかは分かりませんが、フランスにおけるディズニーランド計画は当初から「直営」が目的だったようです。ところが蓋を開けてみると、アメリカ文化を受け入れたくないフランスのアイデンティティでは日本のようにすんなりとは成功せず、オープン当初は失敗かと思われました。が、高すぎるチケット料金改訂、名称改名、ディズニーテーマパークでは御法度であったアルコールの導入、そしてなんの先入観も持たない子供からディズニー教育を始めるためにディズニーチャンネルの導入など、紆余曲折の末にようやくフランスをはじめ、ヨーロッパ各国に受け入れられはじめました。東京ディズニーリゾートのような混雑は希ですが、程々に賑わっている現在、ディズニーランドというアメリカ産のテーマパークは、ヨーロッパのオリジナリティを持ちつつあります。2002年に10周年を迎え、新しいテーマパークもオープン。これからが勝負のディズニーランド リゾート パリですが、今後、ヨーロッパにおけるディズニーテーマリゾートとして、どのような発展を遂げるかが楽しみです。

 ※ディズニーにおけるフランチャイズとは、株式会社オリエンタルランドが「ディズニーランド」というコピーライト(著作権)を使用できる代わりに、ロイヤリティをウォルト ディズニー カンパニーに対して支払うという契約で、東京ディズニーリゾートの年間利益から%でのロイヤリティが支払われている。他にもウォルト ディズニー カンパニーから派遣されたディズニーの代表権限を持つ社員への人件費契約料金など、もっと細かな契約がなされてる。よって、純利益全てがウォルト ディズニー カンパニーに入るわけではないことで、東京ディズニーリゾートが大繁盛してもウォルト ディズニー カンパニーにとってはその一部しか入らないのである。香港に建設中のディズニーリゾートは東京のフランチャイズ契約の失敗とパリの直営の失敗という点を考慮して、香港には不利な契約交渉が続いたと言われている。一応「直営」の運営であるらしい。

 ディズニーランド リゾート パリを運営する企業「ユーロディズニーS.C.A」については英語の公式サイトがありますので、こちらを参照してください。

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